1世紀近く続く宗際化活動
出口王仁三郎人類愛善会初代総裁は、「世界の統一は武力や権力でやった場合は、先に力が出た時はまた一方を圧倒して、争乱の絶間なく永久の平和を招来することは望まれない。だからどうしても統一は精神的、宗教的、道義的に経綸を進めなくてはならない」という思いから、 1925年5月20日に中国の北京で世界宗教連合会を発会させました。
このときに参加した諸宗教団体は、大本、道教、救世新教(悟善社)、仏陀教、回教、仏教、キリスト教の一部であり、宗教協力の分野では、先進的な取り組みでした。
その2日前、神戸道院の人物から日本各宗教の愛善会としての組織計画の報告を受けた王仁三郎師は、その会名を「万国信教愛善会」とし、同月25日、会の発起人による第1回協議会が開かれました。
この万国信教愛善会は、日本国内における諸宗教の提携に基づく協力機関として発足しましたが、王仁三郎師は、特に海外諸国の人々を広く包含する団体を作る必要性から、同年6月9日、人類愛善会を設立しました。
〝人類愛善〟〝万教同根〟の理念から、あらゆる有形無形の障壁を取り除いて、恒久平和世界の実現を目指したのです。
本会設立当初から必要性が訴えられきた宗教協力はその後、宗際化活動として、歴代の総裁の指導のもと続けられ、2016年4月には、人類愛善会国際ネットワーク(IRUHA—Internacia Reto de Universala Homama Asocio)が立ち上がりました。
同年5月に第1回IRUHA国際集会をバンコクのチュラロンコン大学で、2018年に第2回国際集会をタイ国マヒドン大学で、2019年に第3回国際集会を台湾の台北市で開催しました。
本年10月14日には第4回IRUHA国際集会(オンライン祈りの集会)を開催し、綾部市の大本長生殿からインターネットを通して平和のための祈りを世界に配信しました。
同集会には、サムナック・プー・サワン教団・世界平和使節(タイ)、道院(台湾)、唯心聖教(台湾)、カオダイ教(ベトナム)、圓佛敎(韓国)、大巡眞理会(韓国)、大本南米本部、大本モンゴル本部、人類愛善会のタイセンター、インド・チェンナイ分会、同バンガロール分会、スリランカ分会、フィリピン・マリンドゥーケ分会、香港事務所、ネパール・スワヤンブーセンター、大本を含む12カ国から15団体が参加、350人が生配信で祈りを共にしました。
また、10月23日から25日にかけてイタリア・ローマで開催された聖エジディオ共同体主催「第36回平和のための国際集会」に本会も参加し、コロッセオ近くのサン・グレゴリオ・アル・チェリオ聖堂で世界平和のための祈りをささげ、ローマコンベンションセンターでの分科会では、同じ根源の下で、皆が兄弟姉妹同胞であり地球市民であると認識すること、エスペラント語で平和の祈りや対話を行うことの必要性を訴えました。
このように宗際化活動は1世紀近く、本会の活動の大きな柱としてあり続けています。
(人類愛善会平和部会)