コラム(R4.7)

恵まれた土をより豊かに

 小麦の生産量第1位はロシア、そしてウクライナは第5位といわれています。本来その小麦は輸出されており、輸出量の約30%を占めるとのことです。しかし軍事衝突からウクライナの輸出が停止し、倉庫には山積みの小麦が出荷されずに放置されていると報告されています。同じく植物油(ひまわり油)もウクライナ、ロシアの生産・輸出量は、世界1位、2位であり、それぞれ市民生活への負担が大きくなっています。

 ウクライナの土壌は世界で最も肥沃な土壌といわれており、チェルノーゼム(黒い土)、「土の皇帝」と呼ばれているとか。

 日本の土も「黒ぼく土」が有名です。全国の畑の約47%を覆っています。チェルノーゼムとの違いは、日本は雨が多いため、放置すると酸性土となり、結果として石灰をまいて中性に保つ手段が取られています。
 ウクライナの土は乾燥地帯なので、常に中性が保たれているそうです。もちろん、栽培するには水が必要ですが、世界の穀倉地帯といわれるゆえんです。そのウクライナが戦場になっていることは、本当に悲しいことです。
 私たちの日本は、ウクライナほどでなくとも素晴らしいお土を頂いており、大切にしなければなりません。しかし現状は、琵琶湖の5.7倍が耕作放棄地(2017年資料)となっています。
 また、農業就業人口は130万人で、平均年齢は67・9歳、65歳以上の割合が約90・7%(農林水産省HPより)と高齢化が進んでいます。これが現在の日本の現実です。海外に食糧を依存していることで、さまざまなものが値上がりしており、当分続くといわれています。野菜等の栽培に必要な肥料の原材料も海外から輸入するものがあり、どんどん値上がりしています。
 いきなり農業を始めるのは難しいですが、大切なお土を維持し、環境保全に努めることを皆で心がけていきたものです。そのためにも堆肥を使ったお土に触れることで、少しでも農業体験をしましょう。この夏には愛善みずほ会(※本会の母体・宗教法人大本の農業関連外郭団体)から「みづほAIZEN発酵堆肥」が発売される予定です。
 先月に引き続き今月も、野菜の簡単な栽培方法を紹介します。今月は、秋植えのジャガイモです。

《準備品》
・プランター
 容量100ℓ以上推奨
(約80×40×30㎝)
・田んぼの土や培養土
・発酵堆肥
(プランターの容量に対し、堆肥を20~30%)
・肥料 約50g
(推奨肥料  明星1号) 
・ジャガイモの種芋
※春植えは、種芋を切って植えますが、秋植えは、切らずにそのまま植えます。まだ地温が高く、腐ってしまうためです。

《栽培手順》
土と堆肥を混ぜて、肥料も一緒に混ぜてしまいます。種芋を深さ5㎝に植え付けます。80㎝のプランターなら、3個ぐらいです。茎が多いと芋の数は増えますが、小さくなるので残すものだけにし、それ以外は取り除きます。
生長していくと芋が土から出ないように土寄せします。芋が日に当たると緑になり、食べられなくなります。

(人類愛善会「食・農」部会)