ネパールの学生13人に学費支援を決定


人類愛善会の海外分会の一つに、ネパール・スワヤンブーセンターがある。
カトマンズ盆地の北西のスワヤンブナートという、ネパール最古といわれる仏教寺院の麓にあり、ネパールで最初の愛善会の分会(当初の呼称はネパール分会)である。
創設者は、ヌシュ・バハドール・バジラチャリア氏。熱心な仏教徒で教育者だった。
スワヤンブーセンターは、バジラチャリア氏が1985年に設立した小・中一貫校の私学マイトリスクール(生徒数500人)の中にあり、校舎の最上階には、大本神、仏陀像、シバ神像を合同で鎮祭した神前が置かれ、学校の瞑想部屋として使われている。
バジラチャリア氏亡き後、子息のオージェシュ氏が理事長兼校長として学校運営に当たっている。
オージェシュ氏は、スワヤンブーセンター事務局長として愛善活動に力を入れ、学校行事で街の環境美化活動を行ったり、2011年からは、年末に亀岡で開催されるEpA越年エスペラント研修会に、マイトリスクールの生徒を数人ずつ派遣。18年、19年には、大本中学生研修会にも生徒10数人を参加させ、エスペラント学習、人類愛善会についての研修、日本との文化交流などの奨励に努めている。
昨年来、ネパールでもコロナ禍の影響を受け、経済不況は深刻となっている。
どの学校も校舎は閉ざされ、登校できず、オンラインでの授業を行わざるを得ない状態である。
新年度開始もパンデミックの影響で、2カ月遅れの6月となった。
ネパール政府は通勤を制限しており、車両は奇数ナンバーと偶数ナンバーが1日おきにしか運転できず、出かけることも不自由な状態である。
多くの子供たちがパンデミックの影響を受け、両親が学費を払えないため、学校を退学しなければならない生徒が増えている。
オージェシュ事務局長は、そのような状況を憂い、家庭の経済状況がひどく悪い25人の生徒のために、1年間の短期奨学制度を作ることを考え、人類愛善会にも協力を要請。12人の生徒のスポンサーになってほしいと依頼してきた。
対象となる生徒は、両親を失った者、また両親が職を失った者となる。
そこで、NPO法人人類愛善会インターナショナルでは、7月8日に理事会を開催し、12人の生徒の年間学費を支援することを決定。
同月15日の人類愛善会理事会での承認を受け、また出口紅総裁からも1人分の生徒の支援を頂けることになり、6歳から16歳の合計13人を「AIZEN奨学生」(写真上)としてバックアップすることとなった。彼らが1年間、無事に通学でき、勉学に励むことができるよう、支援していきたい。