節分 ヒシャムja of aizenkai



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エジプト全権大使 ヒシャム・バドル

大本節分大祭で挨拶

2007.2.3

badr.jpg大本節分大祭スピーチ去る2月3日(土)、人類愛善会の母体『大本』の「大本節分大祭」に、ヒシャム・バドル エジプト特命全権大使が参拝された。

 以下は、その挨拶文。


 本日は皆様にとって特別な日である節分大祭に美しい綾部にお招きいただいたことに心より感謝申しあげたいと思います。

 本日はまた中東和平という重要な問題についてお話できる機会を与えていただき嬉しく思います。イスラムの平和的側面についてもお話したいと考えています。不幸な事にイスラムは時に世界の多くの地域で誤解を受けています。 

 現在ほど、率直で有ー意義な異文化の交流が大切な時はないでしょう。残念ながら今の世界には多くの事が事実とは異なって伝えられ、疑いと不確実性に充満しています。

 その点において大本の指導者、信徒の方々は草分け的な努力をしてこられました。早くから様々な文化をもつ民族、様々な信仰をもつ人達との対話を促進されてこられたことに敬意を表したいと思います。

 とりわけ、皆様の活動で最も重要な事は世界平和への理想追求です。そのことを強く物語っているのはイスラエルとパレスチナの若者を日本へ招待した綾部プロジェクトだと思います。

 パレスチナとイスラエルの若者は2003年日本で1週間を過ごしました。共に語り、共に遊び、和解し、新しい見方をもって、平和の中で共に生活し、共に学ぶという新しい決意をもって帰国した事は疑いもありません。

 政治レベルにおいて平和の努力が繰り返し駄目になつたとしても平和への望みは存続します。もし平和への意思がイスラエル、パレスチナの新しい世代の間で創造されるなら。そして、綾部のようなそれほど大きな都市でなくても中東に平和をもたらすという大きな夢をもつ事ができるのです。

 恒久平和は会議室のテーブルの周りで確立されるものではありません。本当の平和は人の気持ちの奥深く根をおろさなければなりません。平和は単に協定に調印するだけでは実現できない事は過去の歴史がはっきりと証明しています。平和は長期的に家族、教師、社会的に重要な人物や意思決定責任者が、平和の価値を次の世代の若者に伝えて成立するのです。

 平和は築きあげる事です。ゼロからいきなり作創り出されるものではありません。1日1日の積み重ねによって築き上げられます。長期的視点と個人、国内、国際レベルにおける日々の努力が要求されるのです。

 現在人々が認識している戦争は、人間の心の中で始まります、つまり人は他人を心の奥深いところでどのように視ているかということです。もっと端的に言えば人は自分とアイデンティティを同じくする人は殺せないと言うことです。

 人を殺す事に正義を感じる為には相手と自分との本質的な違いを信じなければなりません。それは恐ろしい程の違いであって、共通の人間性という考えをひっくり返すような違いでなければなりません。

 この意味ですべての紛争は善と悪との争いから生じるものです。善とは我々を結びつけているものが、分裂させているものよりも重要であると考える事です。対照的に悪はそれと反対の確信です。すなわち我々を分裂させているものが、結びつけているものよりも重要であると考える事です。

 実際に昨今ますますはっきりしてきているのですが、もし我々がより平和な世界を創造しようとするならば、我々は地球的規模の責任をもたなければなりません。紛争よりも協力へのかじ取りをしなければならないのです。私達自身や私達の子供達が平和と尊厳をもって生きていくチャンスが与えられるよう重要な決定をくださなければならないのです。


皆様

 平和はエジプトにとって大きな問題です。エジプトは今までも、そしてこれからもエジプトにとって平和問題が海外政策の基本です。

 私達は4000年以上も前に歴史上最初の平和条約を結びました。70年代の後半、中東において歴史的平和への手をさしのべました。この地域の恒久平和への道がどんなに困難であっても、また平和プロセスが故意に引き伸ばされたとしても私達はその努力を続けます。

 パレスチナ問題は中東紛争の中心です。パレスチナ問題は我々の地域のすべての問題の根本です。この問題を正当にそして包括的に解決する事なくこの地域にまん延するテロ、イラクの危機、レバノンの不安定な情勢といった問題を解決する事はきわめて困難であります。

 パレスチナ人も自分たちの独立国を持つに値し、彼らにその権利が与えられる日もくるはずです。

 中東政治を理解する事は複雑な事柄のように思われるかもしれませんが、問題の核心は実際には簡単な事です。問題は占領なのです。イスラエルによる占領が続く限り抵抗は当然続いていくのです。

 解決は以前、エジプトによって提案された解決策で、占領を終わらせるしかないのです。その解決策とは「土地と平和の交換」です。今でもこれは最良の策であり最も実行可能な正しい解決策です。

 2003年この解決策を土台としてベイルートアラブ会議の期間中アラブ世界より平和のイニシアチブが示されました。ただこれは今だイスラエルが受け入れていません。

 アラブ世界は手を差し伸べました。また継続して平和の手を差し伸べています。エジプトでは我々は固く信じているのです。平和は政策上の目的で、この目的が達成されるまで私達はパレスチナ、イスラエル双方と継続して努力する所存です。

 それは長く、険しい道かもしれません。しかし、大量破壊兵器のない平和な中東へのヴィジョンは価値ある目的であると思います。そして私達はその目的の為継続して奮闘していくつもりです。

 私達は日本の役割に感謝すると共に中東平和プロセスにおいて、さらに大きな役割を果たされる事を望みます。日本は正直な仲介者でありアラブからもイスラエルからも信用と尊敬を受けています。


皆様

 イスラムの真の姿についてお話したい事は沢山ありますが、私に与えられた時間は限られています。

 世界のある地域において、イスラムに対する判断はかなりねじ曲げられてきました。過激派と普通のイスラム教徒に関してです。どの社会にも存在する過激派に対しては、対処されなければなりません。しかし1部の過激派をもって、その社会全体を判断する事はできないでしょう。

 原理主義グループの否定的で孤立的な反社会的態度と比べてイスラム世界の多くの知的階級の人、政治家、また各個人は人類の運命は一体であるという強い信念をもっています。現実の人生においては多元論を信じ、また公平で実行可能な仕組みとして民主主義を理解しています。イスラムへの現実的な考え、人権への強い献身、パートナーとして、友人として他人を受入れる必要性も信じています。また新しい世界秩序を構築するための自分たちの役割も自覚していています。

 人間がお互いに尊敬しあうという考えはイスラム世界の近代リベラリズムの産物ではありません。それはコーランから出ているのです。多元論と多様性への敬意は次の2つの文に示されています。

 『われは、あなたがた各自のために、聖い戒律と公明な道とを定めた。もしアッラーの御心なら、あなたがたを挙げて1つのウンマになされたであろう。しかし(これをされなかったのは)かれがあなたがたに与えられたものによって、あなたがたをここみられたためである。だから互いに競って善行に励め。』(第5章48節)

 『人びとよ、われは一人の男と一人の女からあなたがたを創り、種族と部族に分けた。これは、あなたがたを、お互い知り合うようにさせるためである。』(第49章13節)

 これは忍耐と理解を超えた歩みであり、親しみを伴います。

 忍耐、社会正義、他人に対する尊敬と愛はイスラムの価値観からでたものです。

 人間至上主義同様宗教的、政治的寛容は多くの教典で強調されています。また教典のなかでこれらの価値について語っているものや学生を勇気づけているものもあります。

 コーランやハディスの教えの中には、実際宗際的寛容が強調されています。


皆様

 エジプトは世界の母と呼ばれています。その歴史は美しい出会いと 文明間の対話の結果です。

 エジプトの象徴的、戦略的重要性は文明と相互に作用し自分たちの家をつくった力です。ファラオー、ペルシャ人、ギリシャ人、ローマ人、オスマン人、フランス人、英国人エジプトでの生活には、はっきりと多様性、理解、相互の尊敬、平等から発する調和、繊細さが示されています。

 いつの日かどうぞエジプトへ来てください。そしてナイルの水源から湧き出る水を飲んでください。  

 ありがとうございました。

エジプト特命全権大使  ヒシャム・バドル

(日本語訳 矢野裕巳)


badr2.jpg記念撮影/ 左から島本人類愛善会会長、バドル駐日エジプト大使、出口紅人類愛善会総裁(大本教主)、大使夫人

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